長男 哲平

テツジ

2011年05月06日 09:42

山本家 長男 哲平 9歳

昨晩 の 親子の会話です。


『お母さん 肩揉みしようか~?』と 若干声を震わせながら聞いてきました。

『いいよ、もう遅いから・・・』 お小遣い欲しさに言ってきたのだと思っていた私


・・・しばらくして・・・

『しくしく・・・(鼻水をズ~~っと吸う音)シクシク・・・』


(えっ???泣いてるの?何で?!)

(泣かすようなこと言ったかしら?)


『てっぺい 何で泣いてるの?』


『今日はお母さんの結婚記念日なのに また哲平怒られるようなことばかりして、

 宿題はしてなかったし、結婚記念日なのに何もしてあげられなかった・・・

ごめんなさい・・・シクシク・・・』


 明日は小学校が始まる日

 夕方の時点で学校から出された宿題が終わっていなかった。

 わたし達が仕事をしている間に子供達は宿題を済ませているのだと思っていました。

 なのに・・・なのに・・・宿題が終わっていない我が息子達

 寝る時間9時になってもだらだら だらだら・・・

全然取り掛からないし、集中しない、集中しないから終わらない・・・そんな悪循環


 9時半が過ぎ 10時になっても 布団の部屋に入ってこない。

 わたしは布団の上でうウトウト 眠りかけていました。


 そんな時

 息子が『肩を叩こうか?』と 寝る間際に声をかけてくれたのは。



 宿題が終わらず また母親を怒らせてしまった がっかりさせてしまった

 そして 今日はお父さん お母さんの結婚記念日

 僕はなんて だめなんだ・・・と 自分を責めて 自分の行動を悔やんで泣いていたのです。



 それを知って 涙が溢れてきました。

 怒ってばかりのこんな母親なのに、今日が結婚記念日だと知って

  お母さんを喜ばせてあげようと思ってくれたこと

 怒らせてばかりの自分を責めていたこと



 私自身 何かおねだりしたわけではなく、何も期待していたわけでもなく、

 もちろん 子どもや主人に何かを求めていたわけでもない

 結婚記念日なんて子どもが何か親にするものでもないだろうし

 ましてや 今日はこどもの日

 こいのぼりは出していないは・・・子供達の為に何かご馳走を用意したわけでもない

 子供達の成長を願い いつまでも 元気でいて欲しい
 
 そんなことを頭の中で思ったことぐらい


 特別なことをしてあげなかった 私が 『何もしてあげなくてゴメンネ』と 謝らなくてはいけないぐらいだのに。



 『ありがとうね 哲平のその気持ちがお母さん とってもうれしいよ。

  お母さんもこどもの日だからって何かしてあげられなくてごめんね。

  今日 ニュースで見たけど、東北の被災地の学校では60人近くの子どもが津波で流されて
 
 まだ見つかっていない子供達もいるんだって。

 こどもの日を子どもや家族と過ごせない人たちがたくさんいるでしょ。

 そんな子供達と親の気持ちを思うととっても胸が痛むんだ。

 だから いまこうやって 家族で5月5日の子どもの日を

 家族揃って過ごせることはお母さんはとっても 幸せなんだよ。

 哲平も 勘太も あかりも 大きな怪我も 病気もなく 大きくなってくれて

 とっても 有り難いと思ってる。

 ずっと仲良しで ずっと 家族いっしょがいいね。』

 哲平は 途中で うん うんと 何度も静かに頷き、私の話を 聞いてくれていました。

 きっと 家族で過ごすことの出来ない人たちの気持ちを 感じていたのだと思います。



 『でも  今日の哲平はどうして 宿題できなかったんだと思う?』(私)


 『早く 取り掛からなかったから・・・遊んでたから』(哲平)


 『それは 分かっているよね。 いつものことでしょ。

 何を言っても  同じことの繰り返し・・・

 だからまだ 哲平の心のスイッチが 入りきれてないのよ。

 おかあさん 哲平のスイッチが入るまで 待つわ。』(私)



 
 3年生の3学期に時ようやく担任の先生が 『哲平さんのスイッチが入ったように思います。』

 と 言ってくれました。

 それは きっと学校内でのこと。


 家で 宿題をするときは 完全 オフ状態

 宿題をして欲しい親の気持ちと 

 家ではリラックスしたい 子どもの気持ち


 基本 後者を優先させたいと思っていますが、

 でも やらなくちゃいけないことは やってくれないと困ります。

 親が困るのではなくて 子ども自身が困るのです。


 そんな 子どもの気持ちと葛藤しながら ここ何年も過ごしてきました。


 もしかしたら 親の知らないところで 長男 哲平は きちんと 学校と家でのスイッチを使い分けているのかもしれません。

 もしかしたら 親の知らない家の中のどこかで スイッチが入っているのかもしれません。

 
 そして もしかしたら 家で宿題をするときには 哲平の宿題スイッチが重すぎて 哲平だけの力では スイッチが入れきれないのかもしれません。
 親の手助けが必要なスイッチなのかもしれません。

 何をするにも 鈍くさくて 不器用で スローペースで 見ていると危なっかしい
 
 長男 ですが、

 もっともっと 親の目から 見つめなおす必要が あるのかもしれないと考えています。


 こんなに 純粋に 親のことを思ってくれていた 息子です。

 裏表がなく 繊細で 感受性が強い 息子です。

 自慢の息子です。

 そんな 息子の 気持ちがこもった言葉を きちんと受け止めて

 きちんと 返してあげなければいけないと。



 布団の中 哲平とのやりとりで 涙していた 私を不思議そうに見つめていた

 娘 あかりさん

 ちゃんと 分かっているのでしょう、涙をパジャマの袖で拭いてくれました。


 そんな 人の気持ちが判る 子供達に育ってくれていることに 

 きちんと 感謝したいと思います。


 子育てって 大変なことばかりだと

 思ったことも あるけれど、

 でも それ以上に 素敵なことが い~~~~~っぱいなんだな。


 改めて この子供達の母親で良かったなと感じた 夜でした。
 
 
 
 そして 何より 一日も早く 安心して暮らせる安全な日本に なるように

 自分達に出来るコトを 自分達なりに模索し続けていきます。
 

 
 

 
 

 
 



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